« 芸人ゆかりの味!『肉吸い』がコンビニで☆ | トップページ | 伊達の牛たん本舗/宮城ふるさとプラザ »

2008.03.16

現さん、ありがとう

Imo_gen2

もうさんざん泣いたから、

ただ「ありがとう」と言いたくて、告別式に向かった。

こんな日が来るなんて、思ってもみなかったよ。

式場に着くと、ファンがメッセージカードを書く台が設けられていた。

思いのたけを記し、その奥の献花台に行くと、

これ以上ないほど、とびっきりの、

本当にとびっきりの笑顔の現さんの写真がかけられていた。

現実を突きつけられて、とても長くは直視できなかった。

でもやさしい現さんはきっと、

「みんな有難うな。泣かんといて、な。」

そう言ってるだろうな。

現さんの大きな愛が、辺り一帯を包んでいるような気がした。


モニターには現さんのソロ・ライヴの様子が映し出されていた。

この3日間、特に聴きまくった『腹踊り』を歌う現さんが居た。


『自分の痛みもわからずいるのに
君の流したなみだに怯える

ぼくはこの街にいつか殺される
風呂屋のおばちゃんの笑顔に殺される

いっそこのぼくを嫌ってくれたら
うむもいわさず殴ってくれたら』

現さんの詩は、切なくて、深くて、鋭くて、大好きだったよ。


11時。告別式が始まり、中の様子がモニターに映し出された。

お経のあと、
現さん作詞・作曲のデビュー作『ワダツミの木』で一躍有名になった
元ちとせの弔辞と歌。


続いてレピッシュのメンバー4人による弔辞。

狂市が熊本訛りで言う。

「現ちゃんはいつも何をやってもカッコ悪かったけど、
最期は本当にカッコよかった。
最期の一分一秒まで生きようとしていた。
混沌とする意識の中、見舞いに来た人に手を振ったり、
目を見開いたり。
最期は30人くらいいたかな・・・。
現ちゃんが発表できなかった曲は、俺たちが完成させるけん、安心して。」

久々に姿を見る雪好は「無二の親友」と語り、

Tatsuは一言、「現ちゃん、また会えるのを楽しみにしてます」。

そして「現ちゃんが自分の曲の中で一番好きだった曲を演ります」と言って

『ハーメルン』

が4人によって演奏された。

周りのファンは号泣だった。


親族、関係者によるお焼香のあと、ファンも中に入れてくれて、
祭壇の前でお焼香をさせてくれた。

初めて見る(現さんの)奥さんが

泣きながらファンひとりひとりに「有難うございました」と挨拶していて、

私も辛かった。

奥さんと、間近にいるレピッシュのメンバーにも一礼し、お焼香をした。



現実なのかな、

それとも私は夢の中にいるのだろうか・・・



外に出て呆然としていると、知り合いの映画監督さんが通りがかり、

「やっぱり来てたんだねー!」

と声をかけてくださった。

「あの写真がイイ写真だったよね」

と言われ、一気に気が緩んで泣きそうになり、

「はい。みんな泣かんといて、有難うね、見守ってるよ、って言われてる気がしました。」

と答えるのが精一杯。

現さんが音楽をつとめ、来週大阪でも公開される監督の最新作『どこに行くの?』についても教えてくださり、必ず観に行くことを約束し、別れる。



2時、出棺。

現さんを乗せた霊柩車を、本当にたくさんのファンが見送った。

「現ちゃん!ありがとう!」

の声が飛ぶ。

私も言いたかったが、声が出なかった。

ただひたすら心の中でそう叫び、手を合わせた。





現さん、

私はミーハーで、手持ちのカードをいくつも持ってたけど、

現さんを越える人には今も出会ってないよ。

現さんほど私にとてつもない影響を与えてくれた人は

ほかにはいないから。

その絶対的な感性も、人間性も、話し方も、

一番だったよ。


20年前、レピッシュのライヴを初めて観た日のこと、

キーボードを弾く現さんの姿、

今でもはっきり覚えてる。

それまで洋楽中心で歌詞を重視してなかった私にとって

現さんの歌詞は本当に衝撃だった。

猫に顔を取られて、奪い返すことが出来ずに
最後に自分の顔に猫の絵を描く『胡蝶の夢』

満員の乗客を乗せたまま、運転席を奪って故郷をめざし暴走するサラリーマンを描いた『満員電車は故郷を目指す』

誘拐されて育った男が、大人になって今度は誘拐してきた子供を育てる『おやすみ』

そこらの小説など読む気になれないほどの世界観が
すべての曲の中に凝縮されていた。

これほどの才能を持った人には滅多に出会えないと思った。



『追悼のざわめき』や『ゆきゆきて神軍』を教えてくれたのも現さんだった。

デヴィッド・ボウイやブライアン・フェリー、トッド・ラングレンの良さを
再認識させてくれたのも現さんだった。



一見エキセントリックに見えるけど、

本当はやさしくて、みんなから愛されてた現さん

大のタイガースファンだった現さん

話しかけると、きさくに答えてくれた現さん

でも本当は「がん」なんだと、最後までファンに言わなかった現さん

どれほど壮絶な痛みに耐え、苦しかったことか

考えただけで心が痛い。

今は苦しみから解放されて、シリウスになってみんなを見守ってくれてると、

そう思って、

でもまだ納得してないけど、

生きていきます。


今度生まれ変わって、違う形だったとしても、

きっとまた出会うでしょう


現さん、

沢山の曲と

沢山の出会いと

沢山の思い出を、ありがとう

現さんの好きな桜の花が、もうすぐ咲きます

また会おうね

Imo_gen

上田現 肺がんのため3月9日永眠。享年47才

|

« 芸人ゆかりの味!『肉吸い』がコンビニで☆ | トップページ | 伊達の牛たん本舗/宮城ふるさとプラザ »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 芸人ゆかりの味!『肉吸い』がコンビニで☆ | トップページ | 伊達の牛たん本舗/宮城ふるさとプラザ »